| (4)苦悩の悪循環から抜けること−発想の転換 1.悩むことの肯定と欲望の発見 悩むことはきわめて人間的で自然な現象です。われわれは”生きたい”という欲望ゆえに悩むのです。悩みを取り去ろうとする試みは、”生きたい”という欲望の否定につながります。悩みを取り去ることから、悩むことを肯定し、その背後にある欲望を発見することが逆説的ですが、悩みの解決につながるのです。悩むことがあっての人生と発想を変えられたら、苦悩するときは苦悩し、そして喜ぶときは深く喜べるようになるでしょう。 2.悩みと共に
人は皆悩むものと思い定めたら、次には悩みと共に生きることを考えてみましょう。これも発想の転換です。悩んでいる人は、この悩みさえなければ、このことが気にならなければ、こんな気分さえならなかったら、と考えます。そしてそのような不快な感情、悩みを取り除くために知恵をしぼり、結果としてそれらを自分で拡大させてしまいます。悪循環の始まりです。
自分の注意を外に向けること、生活を見直すこと、自分自身を違った見方で見つめ直してみること、などで身近で手を出せることから始めてみたらどうでしょう。 3.恐怖に入り込む
人は不安、落ち込みなどの気分にとらわれると、気分の有無に一喜一憂してしまいます。そこで発想を変えるのです。その一つとして「恐怖突入」という言葉があります。恐怖を避けていればいるほど、恐怖はつのります。むしろ恐怖に突入し、恐怖の中に入れば、恐怖は薄れて行くものです。不安・恐怖は流動し、変化しやすいものだという体験ができます。 4.性格を生かす
悩んでいる人たちは、自分がこのように悩むは自分の性格が悪いのだと、しばしば信じています。 性格にはよい、悪いはありません。悩むことと性格が悪いこととは無関係です。とらわれやすい特徴があるというだけです。
ここでも発想の転換を勧めます。悩む人ほど 真摯に人生を取り組んでいる人はいません。しかし残念ながら、自分の生かし方を知らなかったに過ぎません。自分の神経質をうまく実際の生活に使うことを工夫してください。 5.今ここで
今を生きるということは、悩みと共に生き、恐怖に入り込み、自分の欲望を発見し発揮し、自分の性格を生かすことです。現在生きることを大切にするということが実は悩みの根本的な解決、病からの回復なのです。 |